ジョイフルオクダさんのご厚意で、今話題のD-ILA1080pPJ:DLA-HD1を自宅試写することができた。最初に結語、音で言えば「300w級ハイパワーアンプ」みたいなものか。
インプレッションの前に、うちはゲイン2.6のビーズスクリーンであることをお断りしておく。スピーカーに例えるなら、高能率のバックロードホーンみたいな超ハイゲインスクリーンである。
さて、パワーは必要以上(?)。めちゃ明るく、ビーズスクリーンでは眩しくて調整範囲を超えているかも。明かりを付けていても、映像として見ることができる。画質をシネマ・チュラル・ダイナミックから選べるが、シネマでは物によっては黒つぶれをおこす。ダイナミックだとコントラストがきつ過ぎて輪郭が不自然。ナチュラルがいい。4:3スクリーンで見ると、ブラックバックでも四隅が明るい。THXは10段階表示する。一見非常にくっきりしているが、フォーカスや奥行き感はよく調整された3管にはかなわない。どうやっても気に入る肌色がでないのは、当方の調整が下手なためかもしれない。(デジタル)ノイズがピクセル単位に出ているのがわかり、砂嵐のようだ。同じノイズでも3管だとうるさくない。この個体の欠点と思われるが、僅かなレジズレがある。また、VP30経由だとしょっちゅう認証が途切れてブルーバックになってしまうし、色も濃すぎる。BW200直のほうが画のバランスも認証もいい。この認証問題、新しいロットの市販品では解決されているらしい。PS3の24pの画は更にいい。
パワーでは1292に圧倒的な差を付けるし、黒も固定画素の中ではダントツに良いが、最終的には黒つぶれになっていて、やはり3管のような表現はでない。動きはDLPよりいい(残像みたいにはならない)が、3管とは違う。3管でもよく調整されていないものと比べたら、圧倒的にこちらがいいに違いない。黒方向と階調とフォーカスと動きで3管、パワーと白ピークと取り扱いと静音でD−ILA。確かに黒は固定画素PJ中一番なのだが、結局、黒つぶれや黒浮きがないわけではない。そうしてみると、動きとファンの音を考えなければXV-Z21000の方が好み。ただ価格はHD1の方が20万円以上お安く、CPは圧倒的だ。
当方はTVもPJで見たいのだが、さすがに3管で見るのは勿体ない。また、3管の寿命が尽きるのも時間の問題。そんな意味からも固定画素PJに期待は大きい。しかし、今すぐには移行できないし、二刀流にしても個人的価値観からは固定画素のクオリティはもう一息だ。次世代スーパーハイビジョンは実用化までに10年、市販までに5〜10年、その後立体TVは更に10年と言われている。当方が生きている間には拝めそうもない。だからあと一息、固定画素PJには頑張ってもらいたい。
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