漂流日誌 '07年分

戻る
Diary


| Back | Index | Next |

  3月31日   VPH-1292復活

 予告通り朝9時少し前、いつものように「おはようございま〜す!」と元気な声と共にU氏がお出でになった。早速午前中にフォーカス調製なのだが、その前に、今回の隠し球。別に当方は知っているわけだが、誰にも明かしていなかっただけ。こっそりDELTA HD-10Fというレンズを入手していたのだ。当方の1292は初期〜中期型らしく、オリジナルのレンズは同社HD-10というもの。これは二次湾曲スクリーンにも対応できるレンズが故、平面スクリーンに投写すると中心部に比べ周辺部分のフォーカスが甘くなる傾向にある。人間の目は、見ている中心部分ははっきり見えているが、周辺はぼけて見えているわけで、その意味からは問題ないはずなのだが、スクリーンの中央から脇の方に視線をずらすに同期してPJのフォーカスついてくるわけではないので、時は横長16:9の時代にあって中心部と両脇のフォーカスの差が気になっていた。そこで10F、VPH-G90にも採用されているレンズで、中心〜周辺まで平均して高いフォーカスを実現できるのである。凸の旧型4;3TVとフラット画面の16:9TVみたいな感じとでも言っておこう。
 
 さて1292、メカニカルな調製が肝のPJで、ここにプロの技が冴える。マニュアル通りの設定をしたんでは、そこそこの画は出るけれどプロの写真家が撮った写真のようなフォーカスは望めない。さらにマグネフォーカスも神業的スピードで調整され、みるみるうちに繊細均一なHパターンが現れてくる。ドットになるともう夜空の星のごとし。すでにここで感激してしまう。
 次にバイアスとゲインをビーズスクリーンに合わせたダイナミックレンジにしていただく。そして色乗りの調整。ぐっと黒が締まってきて、いい意味でSONY管らしくない色乗りが出てくる。ここで丁度お昼。U氏と顔付き合わせ、貴重なお話しをききながらの昼ご飯。
 
 午後はいよいよレジストレーション。個々で問題発生。妙なピンクの横線が・・・なんじゃこりゃ!しばし悩むがU氏の機転で昨日の電圧系(EC)基板交換で基線が折り返していると判明。もう一度マグネをちょちょいと触って解決。やっぱりプロだ。その後、またもや神業的スピードで調整。RGBいずれの線も細く均一で同じ太さで正に「線」。当方の調整のミミズがのたくったような線とは全く違う!そこで画を出してみると、びっくりだ。あとは内部信号と外部信号の中心をあわせて、コントラストやブライトネスで仕上げ。
 
 その頃にはいつもお世話になっているmさんも様子伺いに、また昨日から連日でSBSのH氏も駆け付けていただいていた。普段は企業をお相手にお仕事をなさっているH氏、「1292からこんな画が出るなんて知らなかった。」と仰る。引き取りで2回、出張で3回も修理におつきあいいただいたSBSの皆さんには、本当に無理難題を申し上げて申し訳なかった。H氏のような技術者と、当方のような所謂マニアの間の深〜い溝を埋めるべく、橋渡しをしていただいたU氏あっての解決だったのだろうと思う。苦節1年3ヶ月、R/G管のリキッドカップリングがハンダこてで焼かれているという、どんな素性か分からぬ激安中古のVPH-1292QJが、ようやく本領発揮。すでにCRTのランタイムは2000時間を超えたが、これから少なくとも2〜3年間ぐらいは故障の心配もなく安心して映画鑑賞に浸れるだろう。
 
 ところで、いのさんに「どつぼの3管難民の竹男様」という異名を頂いた。 ありがとうございます〜(*^_^*)。 現在1292らしからぬ画を出すことができていて満足であるが、個人的にはこれがSONYの画だと思っている。 しかし、正にどつぼ、3管難民って当を得た表現。 確かにもう次の悪魔の囁きが。。。
 

  3月29日   VPH-1292、不具合

 本日1時半、悠長に昼飯を食ってたら、携帯のベルが 鳴った。出てみるとU氏からだった。うちの駐車場まで 来ていて、しかもSBSのH氏と一緒だという。驚いて玄関を開けてみると、そこには懐かしいU氏の顔。後ろにはH氏が・・・。 挨拶もそこそこに、早速PJの状況を見ていただいて、 修理に取りかかられた。
 結果、基板はほとんど新品だったところが、R/B管の ビデオパックと筐体、冷却ファン11個をのぞいて全部新品になった。あらゆる可変ボリュウム を調製、内部配線の取り回しを整理して、ノイズは 解消、横引きノイズも軽減。明るさがフワフワ変化する不具合も目立たなくなった。更に、昨年メモリーが 吹っ飛んだ際に当方が調製したバイアスとゲインだが、当時のマットスクリーンに合わせたし、何せ素人技。 これを粗調製すると、あらまぁ、いけるじゃん!
 あとは、明日の本調製が楽しみしだ。 これまで度々運んだり出張していただいたりしたSBSのH氏と、熊本入りするなり、休む時間もなく 駆けつけていただいたU氏に感謝だ。

  3月7日   5000万台の粗大ゴミ
 以下、7日の朝日新聞の記事から抜粋。電子情報技術産業協会JEITAが6日、地デジ切り替えによってゴミとなつテレビは最大6465万台にのぼる予想を出した。テレビの普及率は現在およそ1億台、うちアナログが8580万台。平成11年までに5037万台が買い換えられて、その際メーカー引き取りによってリサイクルされるハズ。さらに平成11年時点のアナログ3548万台のうち、地デジチューナー接続などによりこれを使い続けるものを除く最大1428万台がゴミとなる。買い換え分と合わせて最大6465万台がゴミとなる。
 天の邪鬼の当方、当分中古を買ってもアナログTVでいくぞ。

  3月3日   SATRI EQA-5630 V9.0
 実は近々映像の方はプロに再調整してもらう予定なので、再調整の為の調整・・?・・をやっている。なんか「変」かな?なので、映像はわずかな時間だけ進化なし。
 その間に音も調整しておこうと、、、なんて計画的なことができる当方ではなく、たまたまバクーンの永井主宰がSATRI回路V.9.0という提案をしてこられたので、その話に乗っかってEQA-5630スペシャルをV.9.0にバージョンアップしていただいた。それが凄まじいのだ。コードのフォノイコも霞む「辛口」。うちの音は「甘口」の定評(?、いや、当方は勝手にそう思いこんでいる)、それが辛口に聞こえ始めるくらい。特に楽器や声の質感は、誇張されているかのごとくよく分かる。アタック感というか、音の出始めで楽器の材質が分かると言ったらいいのか。木管・金管・皮・鉄の塊・滑らか・ハスキー・太い・細い・・・というとようなこと。それと、高さが更によく出る。先日、村井氏のご訪問の際に演奏したテラークの「春祭」の筋金入りのグランカッサがこれまでより少し上の方で、もっと筋金が太くなって鳴る。金管はパ〜ンと前に出てきて当方の理想イメージに近い「春祭」だ。もう他のどんなフォノイコも聴く必要なし。これを超えるものが出てくる社会的背景はないだろうから。

戻る

メールはこちらまで。