また永井氏がイリュージョンをやった。Direct Gain Control EQ-cercit という全く新しいフォノイコライザ回路を開発した。従来のイコライザ回路は、電流出力を電圧に変換し、その電圧をRIAAカーブに従って分割していた。これは普通のアンプでVRを使ったゲインコントロールと同じで、電流出力の電圧は周波数に関係なく一定になる。
DGC回路は電流出力をRIAAネットワークに直接接続するもので、SATRIアンプのゲインコントロールと一緒の考え方。この場合、電流出力の電圧がそのままRIAAカーブになる。つまり、ゲインがRIAAカーブと同じように周波数によって変化することになる。そのため、ロスが0になるので、情報が減る要因がなくなったわけだ。以上、永井氏の受け売り。
バクーンとしては、フォノイコライザーの基本回路開発はこれで打ち止めだという。究極だという自信の上での事らしい。それなら当方のスペシャルにも載せて聴いてみなくてはならんだろう。
ということで、いつものごとく我が侭。本日持ち込み改造終了。世に出るDGC回路第一号機だ!何かの小さな基板でも追加するのかと思いきや、基板からバリバリ素子をむしり取ってゆくではないか。オイオイ、大丈夫なのか?コロンブスの卵的発想で、従来の回路の一部をすっ飛ばして、直結出来るようにする改造なので、素子が減るのは当たり前。ちょっと定数(?)の決定で何度かリトライされていたが、2時間ほどで出来上がった。
まだハンダの熱も冷めやらぬ間に早速試聴。カートリッジはふる〜いSPU、、、そが信じられない程のHi-Fiなのだった。イヤ、もしかしてSPUって本当はこんな音だったのかも。改造前はわずかにガラス質で、低域は瞬発力もあるけれど、どちらかかと言えば豊かさや深みが得意だったのだが、激変。もうこれはマスターテープの音だ。5630、これまでいろいろと改造を重ねてきたが、今回が最も音の変化の大きく、しかも最も当方の好みの音になっていた。
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