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ALBUM

バクーンの永井氏に、既存のEQA-5620の改造進化版の製作を提案、と言うより無理矢理制作を強要してしまった。
新型の基盤
新型の基盤

 SATRI AMP SCA-7511mk3の基盤をベースに、CR型イコライザを組み込み、SATRI回路:V11.4, V5.2, V6.3, V9.3, VおよびV8.3を搭載、出力段もクワッドプッシュプル回路となった。最低域のザーボ量も調整していただいて、当方好みの特性にしていただいた(16Hzより下に向かって減衰)。
 
 SATRI-ICは、従来型、新型EXタイプ、新型ULの3種類をリアルタイム交換試聴させていただいた。結果、変人の当方は、多くの方がULタイプを選択しているのとは逆でEX装着。さて「あーく」に持ち帰って試聴すると、、、あら、ゲインが高すぎてプリのボリュウムを2目盛上げただけで大音量、絞りきってもノイズが聞こえてしまう。これは再調整だ。
 
 

SATRI-IC
SATRI-IC

 右下が従来型Ver.3.0、左下がSP Ver.1.0、右上が新型EX、左上がULである。プロトタイプを作ってもらっている代わりに、聞き比べて試聴記を書くことを課されている。
 前の写真の赤いEXが装着されている部分は、ソケットになっていて、SATRI ICを簡単に交換できる。むしろこの方が接触もいいのだそうだ。
 
 ゲイン調整とノイズ対策後、再試聴。従来型SPは聞きなれた音だ。これを表現しろと言われても、当方のスタンダードなので何とも・・・全体域に情報量は十分で、音の粒子も細かく、「粒子」との表現は適当でない感じがするくらい。適度な艶もあって、上がり立ち下がりも素晴らしく、音の角も出るが決してバリはない。周波数エネルギーバランスは高域先細りの鋭角二等辺三角形。要するにほぼ言うことないのだが、あえて高望みをするなら、破綻する一歩手前の緊張感が加わってもいい。明らかにVer.3.0よりSP V1.0の方がHiFiで、これは好みではなく優劣の差であって、やはり、一時期の完成の極みにあると言えるのだろう。逆に、ここからの進化は難しい。
 
 EXは低域が引き締まっていて、明るく中高域が張り出してくる。情報はやや整理されて(?)音楽がわかりやすい感じがする。あくまでULとの比較だが、悪く言えば安っぽい。
 
 最後にUL。これを聞いてしまうとSPは僅かにモヤ付きがあることがわかる。情報量は変わらないのかもしれないが、モヤ付きがない分情報が増えたようにも聞こえる。また、対SP比では周波数エネルギーがフタコブラクダの感じもある。
 
 開発者の永井氏としては「明らかに進化しているのでULがいいに決まっている」と主張したいところかもしれないけれど、我が儘な「困ったちゃんユーザー」代表の当方としては、SP V1.0、EX、UL選択は好みの問題だと言いたい。とは言うものの、SP V1.0が終了した現在、EXかULを選択するしかないわけだが、在庫終了まで三者選択もおもしろい。ただ、こんな選択肢があったらメーカーはやってられんかな?!
 
 最後に、何と、EQA5630は製造が終了してしまった!新型SATRI ICとともに、、来年全くの新型のフォノイコライザー・アンプを発表するとのこと。一台のみの幻のEQA5630mk3となってしまった。なんか複雑であるが、考えてみれば、外側は5630であっても、中の基板は新型SATRIアンプの物を流用しているわけで、mk3という名称自体そぐわないのかもしれない。たぶん新型イコライザーアンプもこの基板を使っての物になるのであろうと想像される。(2011.12.31記)

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Last updated: 2022/12/25

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