右下が従来型Ver.3.0、左下がSP Ver.1.0、右上が新型EX、左上がULである。プロトタイプを作ってもらっている代わりに、聞き比べて試聴記を書くことを課されている。
前の写真の赤いEXが装着されている部分は、ソケットになっていて、SATRI ICを簡単に交換できる。むしろこの方が接触もいいのだそうだ。
ゲイン調整とノイズ対策後、再試聴。従来型SPは聞きなれた音だ。これを表現しろと言われても、当方のスタンダードなので何とも・・・全体域に情報量は十分で、音の粒子も細かく、「粒子」との表現は適当でない感じがするくらい。適度な艶もあって、上がり立ち下がりも素晴らしく、音の角も出るが決してバリはない。周波数エネルギーバランスは高域先細りの鋭角二等辺三角形。要するにほぼ言うことないのだが、あえて高望みをするなら、破綻する一歩手前の緊張感が加わってもいい。明らかにVer.3.0よりSP V1.0の方がHiFiで、これは好みではなく優劣の差であって、やはり、一時期の完成の極みにあると言えるのだろう。逆に、ここからの進化は難しい。
EXは低域が引き締まっていて、明るく中高域が張り出してくる。情報はやや整理されて(?)音楽がわかりやすい感じがする。あくまでULとの比較だが、悪く言えば安っぽい。
最後にUL。これを聞いてしまうとSPは僅かにモヤ付きがあることがわかる。情報量は変わらないのかもしれないが、モヤ付きがない分情報が増えたようにも聞こえる。また、対SP比では周波数エネルギーがフタコブラクダの感じもある。
開発者の永井氏としては「明らかに進化しているのでULがいいに決まっている」と主張したいところかもしれないけれど、我が儘な「困ったちゃんユーザー」代表の当方としては、SP V1.0、EX、UL選択は好みの問題だと言いたい。とは言うものの、SP V1.0が終了した現在、EXかULを選択するしかないわけだが、在庫終了まで三者選択もおもしろい。ただ、こんな選択肢があったらメーカーはやってられんかな?!
最後に、何と、EQA5630は製造が終了してしまった!新型SATRI ICとともに、、来年全くの新型のフォノイコライザー・アンプを発表するとのこと。一台のみの幻のEQA5630mk3となってしまった。なんか複雑であるが、考えてみれば、外側は5630であっても、中の基板は新型SATRIアンプの物を流用しているわけで、mk3という名称自体そぐわないのかもしれない。たぶん新型イコライザーアンプもこの基板を使っての物になるのであろうと想像される。(2011.12.31記)
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