長岡先生が逝去されて久しく、近年、コストパフォーマンス(C/P比)を評価にあげる評論家がいなくなってしまった。そして何度も申し上げるけれど、不思議なことにこの数年、新譜も殆ど出ないLPの再生がオーディオの一つの流れになっていて、以下はそのハイエンド機器の一例。audio-technica AT-ART1000Xは\770,000(税込)、Accuphase C-57 は\825,000(税込)、SAEC WE-709は\825,000(税込)、合計\2,420,000なり。当然、別途ターンテーブルも必要で、一般人にはそろえようもない価格である。勿論、もっとお安い物も用意されているけれど、大抵はハイエンド機とは全くの別物である。実際には中級機やローコスト機を使用するユーザーが殆どな訳で、ハイエンド機の性能は望めないとしても、構成は相似形で、その気配を感じたり、部分的には凌駕しかねない中級〜普及機も出してきてほしいところである。この時間・空間芸術であるオーディオの環境が厳しい時代だからこそ、「頑張れば手が届きそう」といった価格帯の夢のある製品が増えることが、オーディオの反映に繋がるのではないだろうか。
当方は、最新の物ではないが、前述の機器を想像することが出来るシステム(audio-technica AT-ART1000、Accuphase C-37、SAEC WE-407/23)を持っていて、使いこなしは下手くそだけれども、SP10mk3と組んで試聴したことがある。その上で、Fidelix。MC-F1000:\440,000(税込)、REGGERO:\220,000(税込)、0-side forse:\209,000(税込)、合計\869,000、現代としてはものすごくありがたいの価格設定だし、ハイC/Pでその実際の音はお伝えした通りである。この時代に、アナログ再生機器を独自の理論で実践して開発し、この価格でまとめて出してくる事、ガレージメーカー(失礼)の面目躍如である!
それと、頑張っているFostexさん、FE208の汎用品もカタログ落ちしてしまった。ましてやSS-HPで止まっている限定品、次は、もうそんなユーザーがいなくなって出せないのかな・・・analogue再生機器よりもむしろ、SPユニットメーカーはもっと栄えても良いと思うのだが、ヘッドセット・オーディオの変な世の中である。
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