再度、EQA-5630mk3。確かに高音質で、2系統つなぐことができて、MMも聞ける。しかも当方の好みの範囲にある。しかし、問題は3つ。第一に価格、90万円では歯が立たない。第二に現用EQA-5630mk2との差がさほどではない。聞き方によっては5630mk2の方がよかったりする場合もあるかもだ。第三に、ここが未だに謎なのだが、カートリッジ間の音質差がとても少なくなるのである。1万円と30万円でもである。カートリッジって、ユニバーサルアームに付け替えるたびに音が変わったりすることは、皆様ご存じだと思う。一定の取り付け方をしなければ、一定の音質を保てない。Bakoon の5600シリーズは、異なるカートリッジ間の音質差より、同じカートリッジを使おうとも、むしろこの交換時の音質の変化の方が大きかったりして、音質チェックがきわめて難しいのである。当方の力量不足と言われればそれまでではある。
素人の考えとしては、電流増幅という唯一無二の仕組みがそうさせているのではないか。コイルの直流抵抗に反比例して(?)カンチレバーに制動がかかることになる。だから、ビシバシと切れ切れなのにオーバーシュートは感じられないといった音質を説明できるような気がするのだ。そもそも、フォノカートリッジの制作側は一般的な電圧増幅イコライザーで試聴しているわけで、決してこんな音を聞いてはいないのだ。確かにどれだけ正確に再生しているかという要素も重要ではあるが、SACDをマルチビットで再生したり、DVDを1080pにアップコンバートして鑑賞したりと、詰まるところ元より正確にというか、「多分元より本物らしく」鑑賞できればいいのであるからして、Bakoon の電流増幅フォノイコも有りだとは思うのだ。
だから、一般的な音質の傾向をつかむためにAccuphase のAD30をCX-260に組み込んだんだが、さすがにEQA-5600シリーズとは音質差があり過ぎて、不満が出てきてしまったわけだ。で何を悩んでいるかと言えば、5600シリーズに向こうを張るようなイコライザーはAccuphase しかないと言うことだ。
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