この数ヶ月間、いろいろ試してみた。まず、EPA-100mk2やWE-407/23で代表されるスタティック・バランスと、MA-505やDV-507に代表されるダイナミック・バランス型の比較では、反りのある盤ではダイナミックバランスがそのトレース力を見せつけるが、それ以外の全ての音質の要素においてスタティックの勝ちだった。だいたいオーディオ的には反ってること自体が遺憾のだ。
EPA-100 originalとその業務用ロングタイプのEPA-100PN、MA-505とMA-505L、WE-407/23とWE-506/30の比較では、トラッキングエラー角の関係でロングタイプの方が歪感の少ない音を期待できる、と思っていた当方の固定観念は崩れ去った。トラッキングエラーが事実上無視できるリニアトラッキング・アームとは、条件を揃えての直接比較ができないが、印象としてはリニアは歪感の少なさが特徴だが、ここ一発の低域のガッツが今一歩の感がある。ロングアームはズッシリとした低域が出しやすかったが、全帯域にやや抑制がかかる感じがする。結果、当方はショートアームの細かい音への反応の良さをとりたい。
従ってメインLP-P(自作積層キャビネットにSP-10mk3)のアームはEPA-100mk2、セカンドLP-P(SH-10B3改にSP-10mk2)のアームはEPA-100にしたいところだが、流石に古くて本来の性能を発揮しているとは思えないので、これまたEPA-100mk2。サードLP-P(SBX-3にSP-10mk3)のアームはWE-407/23ということになった。シェル+カートリッジの重量が25gを越える組みあわせは、EPA-100mk2での音質は極端に劣化するので、WE-407/23が必要になる。但し、407でさえも軽い方が音が良いようであるのだが。
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