2012年の時点でのLP再生の問題は、カートリッジではなく、むしろ新しいモーターがないことだと思っていたが、もう一つトーンアームも同じくらい問題だ。このことは、随分以前から熊本の師匠が仰っていたのだった。今回それを追試した形になる。
カートリッジ、トーンアーム、モーター、どれも欠くことのできないパーツなのは当たり前なわけである。でも、アームの購入前試聴なんて聞いたことがない。それで一本だけ決めるなんて不可能だし、最近は高価過ぎて試しに買ってみようなんて無理だ。カートリッジなら取り替えて試聴も簡単だけど、アームは簡単に取り替えて試聴なんてできやしないので、余程のことがない限り新品購入とはならない。
そこで、中古でEPA-100関連で5本、MA-505関連で3本、併せて8本も買ってみた。中級アンプ一台分、高級アーム一本分ほどの金額だ。試聴終了すれば売却しているから、コストはもっと少ない。でも、はっきり言って使い物にならんジャンクが3本、うち2本は知ってか知らずか明らかな故障品だった。加えて「あーく」にはEPA-100mk2が新旧2本、丁寧に使ってはいるが、それはそれは古ーいWE-506/30、それに新品のDV-507mk2がある。
それで分かったのは、アームは受動機械だから劣化は少ないだろうと思っていたら大間違いだったということ。電気抵抗などは測定する技術もないが、少なくとも水平・垂直感度には同じアームであっても明らかな差があって、これは音にも出る。それから、オクは注意と覚悟が必要だということである。
|