本番製品が届いた。型番は R-1000 AIRY-V。先日紹介した試作器からの変化としては、コイル、磁気回路をクライオ処理(これにもいろいろあるようで、これは本物ということ)し、ベースが大型化され振動系を抱え込むような形になった。
さて、音の変化は? ストレートな音の方向性は変わっていないが、更に洗練され、周波数レンジも上下に伸びたように思う。少々艶やかになった高域、沈み込むような力感のある低域、中音域は上下に比べると控えめで特徴がないように感ずる。ゴリゴリと押し出してくるタイプではない。分解能はすこぶる高く、音場は広く、特に深く、音像は小さい。特に剛性が高いとも思えない構造なのに、何でこんな音が出るのか不思議である。
この印象は、V24Cさんの23g特製シェルに取り付けると更に顕著となる。まるであつらえたみたいに、形状も重さも音の収まりもピッタリだ。
ZYXの秘密−その1−
従来の(図1)、垂直軸に対称にボビンに巻く方法は、振動系としては左右対称で妥当のように見えるが、電気的には垂直方向の振動は左右の差信号(逆位相)なので、電気的対称とはいえない。
ZYXは(図2)、コイルの巻き方が、左右同相の信号、つまり水平方向に対して対称となっているので、電気的に対称であるばかりでなく、出力の+−端子の位置も対称となる。
記憶が定かでないし、手持ちの資料もないが、昔、YAMAHAが似たようなことをやっていなかっただろうか? 似ても似つかない物であったならば、大変ごめんなさい。
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