【特 徴】
ベースはポリカーボネイト。コイル線材はφ0.03mmのヴィンテージ銅と呼ばれる、発掘されたばかりの銅を線に加工しエナメルコーティングしたもの。コイルの巻き方に最大の特徴がある。これについては次の写真説明する。カンチレバーはソリッドボロン、0.07mm角マイクロリッジ針。
ところで、今回のZYXは試作品で一点物、ベースもボディもこれから決定の予定。よって、「参考までにしておいてください。できれば次回のクライオ処理済みの試作品を紹介してください。」とのことであったが、、、。
【使用機器】
プレイヤーシステム
自作キャビネット
ターンテーブル テクニクス SP-10mkU
トーンアーム テクニクス EPA-100mkU
ヘッドアンプ
デンオン HA-1000
ダイナベクター PHA-100
プリアンプ
パイオニア AC-AX10(デジタルイコライザー)
メインスピーカー 長岡式 D-55 ローディ HMA-9500mkU
スーパーウーハー 長岡式 SW-7 ローディ HMA-9500
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【比較したカートリッジ】
ビクター MC-L1000(状態良好)
オルトフォン MCジュビリー
オルトフォン MCローマン
ライラ HELIKON
(シェルは全てビクターPH-L1000を使用)
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一言で言えばストレートな音。
【音場の表現】
ライラが最も広いが、音像も少し大きめで前に出てくる。ZYXとローマンは、MC-L1000と同等だが、音像はMC-L1000が最も小さい。ジュビリーは最も狭く、音像の大きさは中間。
【分解能】
甲乙つけがたい。ライラは、どうだ分解してるだろう、と言わんばかり。ZYXとローマンは僅かにMC-L1000をしのいでいるようにも聞こえる? ジュビリーもMC-L1000を超えているのかもしれないが、それを意識させない。トラッカビリティは問題なし。
【音 質】
MC-L1000はちょっとガラス質で、非常に締まって力感に溢れている。ジュビリーは品の良い艶やかさがあるが、低域の力感がやや劣る。ライラは野放図、ちょっとだけ押しつけがましい。ZYXとローマンはライラとMC-L1000の中間、ZYXの方がやや締まって力がありストレート、ローマンの方が艶っぽさというかウエットな感じがある(オルトフォンの系譜?)。
【総 括】
ZYXはすべての項目で2番手。最も当方の好みに近いものであった。ZYXは外装ボディがない状態で今回の結果になったわけで、もしも強固なボディをまとえば、いかなる音を聞かせてくれるのかと期待は高まる。
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