途中でいろんなところで引っかかってしまって、なかなか本題に入れないでいる。
今引っかかってるのは今更Victor MC-1。このカートリッジ、発売当時2回手に入れて二個とも潰した。一個目はまだまだMC型に慣れていない頃、ヘッドアンプもそれほどS/Nのいいものもなく(SONY HA-55というやつだった)あれこれやってるうちに音が出なくなった(それを壊したというのだ)。二個目は針交換した物なのだが、それは間もなく自然に壊れた。そのときの印象はハイ上がりで細く神経質といったものだった。そうしているうちにMC-L10が出たので、ついぞMC-1の本当の音を拝聴することがなく、非常に心残りであった。世間では明らかにMC-L10、いやL1000の方がいいという風潮だったし、人の言うことに左右されやすい当方は、L1000を手にしてしまう頃には、MC-1のことは心の奥のそのまた奥にしまい込んで忘れた振りをしてきた。で、今回アナログを再起動しようとしているうちに、その思いが吹き出てくると、タイミング良くお安い出物があったりするのである!
出会ってから30年、LP-Pも整備して新しいフォノアンプも帰ってきて、当時の環境や使いこなしよりは多少マシになっているだろうから、ちょっと聞いてみるかと・・・オ、オオォ〜! 3次元的定位がすごい。単なる2ch(マトリックスなし)なのに、後ろから音が聞こえてくる。切れ込みは抜群で、立ち下がりもやたら早い。確かにハイ上がりで、低域はドッと出てパッと引いてしまうので、普通の中型以下のオーディオで聞いたら低域不足と感じるだろう。また、音の角が僅かにオーバーシュートしている感じがあり、それも可としてしまう説得力がある。これのどこが繊細で弱々しい音だと言うのだ?!シェルはMC-L10で気に入ったオヤイデのHS-CF、このフニャフニャボディのMC-1やMC-L10をお持ちの方、このシェルは是非試してみて欲しい。
ところで、テクニカを試聴するのが怖くなってきた(笑)。