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Diary


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  10月28日   オークションの冥利
 オークションはどうも・・・と敬遠されている方も少なくないと拝察するが、最近、当方はネットオークションを多用している。
 
 当方の田舎、熊本は人口60万、規模としては大きくはないが、かといってそれほど小さな街でもない。むしろ、周囲の方が小さすぎて、これでも中核となっている。だから、熊本に営業所がなければ、次は福岡までゆかねばならず、それは結構遠い。そして、このご時世、熊本の営業所は次々と消えてしまい、量販店は倒産の嵐、ピュアオーディオはAVに取って代わられなければ、量販店も危ない。専門店ではカタログ販売。現物を見たり触ったりすることは論外で、こちらからアプローチをかけないと情報すら入ってこない。要するに、ピュアオーディオに関する「物」(新品・中古・展示品・不良在庫)が圧倒的に少ないのである。これは、LPレコードについても云える。日誌で紹介したことがあるように、最近、なじみのレコード屋を言いくるめて(?)LP販売を復活させたくらいである。(でも、以外に売れてるみたいで、むしろ当方よりも、2〜3の方が根こそぎ購入されてゆくので、当方に回ってこないという噂も・・・)
 
 で、ネットで情報を仕入れ、「あーく」にたまった未使用品を放出して資金を作っては、オークションで一か八か掘り出し物をゲットする。お店で購入すると、買ったはいいが、現物を見て聞いていないので、全く見当違いのものであったときのショックたるや、、、そしてその始末に閉口する。しかし、オークションで程度の良い中古をゲットすれば、たとえ見当違いなものであったとしても、一定期間の使用料を支払ったと思えば、購入金額より安くして、またオークションで処分できる。「それじゃあ、全く物としてしか見ていないではないか。趣味とは違うんではないか。もっと目と耳を養った方が良いゾ。」といったお叱りもうけるかもしれない。もちろんそれは肝に銘じているところであるし、壊れるまで使用しているように、それほどチョクチョク機器を買い換えているわけでもない。しかし、時に全くの見当違いをしでかしてしまう当方であることも事実。
 そんなとき、ネットオークションを利用する。これが欲しかったんだ、とか、気になってしょうがなかったけれどグタグタしているうちに市場から消えていた、とか、そんな物に出会うことが出来る。実際、当方のシステムに組み込まれて、しっかり根付いている物も結構ある。
 
 そんななか、昨日ある物をネットオークションで放出したら、そのお相手が「お知り合い」であった。これを読んでいらっしゃる訪問者の方ならよくご存じの方であろう。しかも、その方との以前からのやりとりもあって、今回、ある物をお譲り頂けることになった。全く、世間という奴は、、、である。その物は、いずれここで報告させて頂くことになるであろう。
 ということで、当方の愛器も安心して嫁入りできるりっぱなお方、お譲り頂く機器もその方の物で安心、と、今回はうまく一件落着のオークションであったのだった。オークションも悪くはないですよ!

  10月26日   いつまで使う?
 当方にとっての、という但し書きが付くけれど、ニュースである。本日、EPA−100mk2が修理完了して戻ってきた。先日の日誌に記述したように、テクニクス事業部は解散し、本社でも直らない状況でのことである。元テクニクスの技術者を探すこと数ヶ月、次にオリジナルと同じ粘度のカウンターウェイト内のシリコンオイルを探すこと数ヶ月、そして約10ヶ月間、あちこちたらい回しの入院生活から復帰してきたのである。正直、直らないだろうと思っていたので、とても驚いた。これには、サウンドシティ熊本の二子石店長のご尽力の賜で、ここに篤くお礼申し上げたい。
 さて、最近、当方の愛器達に次々に故障が発生していることは、日誌を読んで頂いている有り難い訪問者の方々にはご承知のところである。そんな状況で、一つ、考えざるを得ないことがある。機器の寿命(性能維持期間)と、それを超えた場合にどうするか?ということである。
 アンプ系は5〜6年までは良い意味でのエージング効果が期待できるが、以後は徐々に劣化の一途をたどり、究極は物によるけれど10年くらいで故障となって現れやすくなる。
 CDプレイヤーは機械的部分と電子部分を併せ持つが、一般に機械的部分の方の劣化が早く、6年を超えると特に読み取り部分に問題が出てくるようだ。
 ADプレイヤーは、回転系は、バブルの頃に「これでもか」と採算度外視で物量をつぎ込んだもの(受け軸がスゴイ)は、通常の使い方では半永久的(人生70年と考えての話)、むしろDDでは永久磁石の脱磁もあるが電子制御の劣化の方が、ベルトドライブではベルトの確保が問題。トーンアームは、長岡先生曰く、壊れていなくても、以外に早く機械的劣化と共に音質も劣化してくる、とのこと。
 スピーカーは、コーンの材質や使用状況で天と地程の差が出るので、いちがいには言えないが、ウレタンエッジは数年で朽ちて落ちてしまうし、磁石の脱磁も起こる。ネットワーク素子については、熱を発するアンプ程ではないにしろ、酷使すれば同じ事、コンデンサーはいかれてくる。
 長岡派の方々は、スピーカーについてはお手の物であろう。なかでも一部電子回路に詳しい方々は、アンプの自作までなさっており、メンテどころか改造までご自身でなさっていると聞く。しかし、当方のようなド素人には電子部分に関しては、メーカー修理以外にどうしようもない。それも部品保存期間内であれば問題ないが、それ以降、または、メーカー自体が消失していた場合、困窮してしまう。
 普及機〜中級機を使用していたころは、壊れてしまう前に2〜5年で機器を取り替えては楽しんだりガッカリしたりしていたものだが、中高級機を使うようになると、より思い入れや気に入り度合いも高く、そう簡単に交換もしできないし、しない。気が付いてみると故障していて、部品保有期間を過ぎようとしている、というハメになる。しかも、お値段の関係で中古で購入する事が多いから、なおさらである。
 最近は、ガレージ修理屋さんといったらいいのだろうか、当方のような者にとっては、救世主みたいな修理屋さんが出現している。しかし、オリジナル部品での再生はあり得ず、元通りとはいかないのも事実。
 結論。たとえ現状の音で満足できているにしても、機器は必ず一定期間を経て劣化し壊れるので、同じ状態に留まれるはずがないのである。趣味としているなら、必然的に進化し続けなければならないことになる。ウ〜ン、世の中よくできているなあ。などと感心している場合ではない。はやく自分のシステムを再構築せねば・・・。

  10月14日   あーく受難

 この日が「いつかは来る」ことは分かっていたけれど、それが現実となってみると実に厳しいものである。HMA−9500mk2が故障したのだ。
 
 くずてつさんの掲示板に、ミヨーの復刻LPの件で書き込みしたことがきっかけで、故障していることに気が付いた。「当方のは45回転盤だが、最新録音と比べると多少の荒さを感じる・・・」なんて書き込んだら、「???なんかちがうのかな?」というお返事。ドッキリである。そんなはずはない。早速、システム総点検。自作3.5スケピンコードのハンダクラックを発見し、「これだあ!」とばかり市販品に替えて一件落着・・・のはずだった。ところがそれでもなんだかおかしい。いろいろ調べてみるが予期せぬ(予期していたのだけれど信じたくなかっただけかも)結果にたじろぐことになった。久しく触れていなかったHMA−9500mk2のヒートシンクに触ってみてガックリ。左右の温度が違う。歪みの原因はこれだった。いつから壊れていたのか、多分徐々にだとは思うが、それに気づかない当方は、やっぱりタコ耳だった。
 
 修理して使うという選択肢もあるが、たとえ修理できたとしても、元通りにはならないかもしれない。約17年間も働いてくれた彼には優退して頂き、TA−N1に後を引き継いでもらおう。するとSWはどうするのか?現在、熟慮中。

  10月8日   テクニクスブランド
 technicsオーディオ倶楽部(http://www:club.sense.panasonic.co.jp/club/technics/) が10月31日をもって閉鎖されることになった。開発ストーリーやAuduo Consulting Room の室内音響学など、とても面白い内容であったが故、非常に残念である。
 
 当方は、テクニクスといえば、破綻のない基準となるような製品を数多く輩出してきた一流ブランド、というふうに思ってきた。しかし、松下電器としては、中国において、一般家庭電化製品で苦戦しているようで、今や、利益どころか赤字も辞さないような重厚長大・マイナー趣味のオーディオには力を注げないのであろう。事業部制を廃止し、オーディオの各事業部も整理され、SP−10mk3やEPA−100mk2の本家における修理もほぼ不可能になってしまった。またいつか力を吹き返して、あっと言わせる製品を作ってくれる日がくるであろうか? SP−10mk3、せいぜい大切に使おう。 

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