当方にとっての、という但し書きが付くけれど、ニュースである。本日、EPA−100mk2が修理完了して戻ってきた。先日の日誌に記述したように、テクニクス事業部は解散し、本社でも直らない状況でのことである。元テクニクスの技術者を探すこと数ヶ月、次にオリジナルと同じ粘度のカウンターウェイト内のシリコンオイルを探すこと数ヶ月、そして約10ヶ月間、あちこちたらい回しの入院生活から復帰してきたのである。正直、直らないだろうと思っていたので、とても驚いた。これには、サウンドシティ熊本の二子石店長のご尽力の賜で、ここに篤くお礼申し上げたい。
さて、最近、当方の愛器達に次々に故障が発生していることは、日誌を読んで頂いている有り難い訪問者の方々にはご承知のところである。そんな状況で、一つ、考えざるを得ないことがある。機器の寿命(性能維持期間)と、それを超えた場合にどうするか?ということである。
アンプ系は5〜6年までは良い意味でのエージング効果が期待できるが、以後は徐々に劣化の一途をたどり、究極は物によるけれど10年くらいで故障となって現れやすくなる。
CDプレイヤーは機械的部分と電子部分を併せ持つが、一般に機械的部分の方の劣化が早く、6年を超えると特に読み取り部分に問題が出てくるようだ。
ADプレイヤーは、回転系は、バブルの頃に「これでもか」と採算度外視で物量をつぎ込んだもの(受け軸がスゴイ)は、通常の使い方では半永久的(人生70年と考えての話)、むしろDDでは永久磁石の脱磁もあるが電子制御の劣化の方が、ベルトドライブではベルトの確保が問題。トーンアームは、長岡先生曰く、壊れていなくても、以外に早く機械的劣化と共に音質も劣化してくる、とのこと。
スピーカーは、コーンの材質や使用状況で天と地程の差が出るので、いちがいには言えないが、ウレタンエッジは数年で朽ちて落ちてしまうし、磁石の脱磁も起こる。ネットワーク素子については、熱を発するアンプ程ではないにしろ、酷使すれば同じ事、コンデンサーはいかれてくる。
長岡派の方々は、スピーカーについてはお手の物であろう。なかでも一部電子回路に詳しい方々は、アンプの自作までなさっており、メンテどころか改造までご自身でなさっていると聞く。しかし、当方のようなド素人には電子部分に関しては、メーカー修理以外にどうしようもない。それも部品保存期間内であれば問題ないが、それ以降、または、メーカー自体が消失していた場合、困窮してしまう。
普及機〜中級機を使用していたころは、壊れてしまう前に2〜5年で機器を取り替えては楽しんだりガッカリしたりしていたものだが、中高級機を使うようになると、より思い入れや気に入り度合いも高く、そう簡単に交換もしできないし、しない。気が付いてみると故障していて、部品保有期間を過ぎようとしている、というハメになる。しかも、お値段の関係で中古で購入する事が多いから、なおさらである。
最近は、ガレージ修理屋さんといったらいいのだろうか、当方のような者にとっては、救世主みたいな修理屋さんが出現している。しかし、オリジナル部品での再生はあり得ず、元通りとはいかないのも事実。
結論。たとえ現状の音で満足できているにしても、機器は必ず一定期間を経て劣化し壊れるので、同じ状態に留まれるはずがないのである。趣味としているなら、必然的に進化し続けなければならないことになる。ウ〜ン、世の中よくできているなあ。などと感心している場合ではない。はやく自分のシステムを再構築せねば・・・。
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