4月26日の日誌に掲げた欲しい物リスト、まずは(その4)Eminent が「あーく」のメンバーになったばかりのところに(その5)SATRI DAC-2000も加わった。SATRI Ver.5.1(レジン基板) を載せたほぼ新品、しかも格安。これならPhono 同様、DAC以降パワーアンプまでSATRI Linkで繋いで、オール電流伝送が可能になる。CDとPhono が同列に近い土俵で比較できるかもしれない。
このDAC-2000、YASUさんという玄人跣の方(Linkに追加:http://yasu-audio.com/)
が製作された DAC-2000「K」というキットなのだ。本年2月に購入され、製作後殆ど使用することなく、今回当方にお譲り頂いた。メーカーが製作するのにはそれなりのノウハウもあるのだろうが、技術を持った方が個人的に自分のために作るに当たっては、魂の入り方が違うので、場合によってはメーカー製よりいいことも考えられる。実際、外観もボンネットを開けて中身を見ても、何らメーカー製に劣るところはない。
SATRI DAC-2000についてはご存じない方もおいでだろう。主宰の永井氏に、素人なりにアドバンテージについて訪ねたそのご返答を掲載しておく。
「DAC-2000では、SATRI-ICはDACチップの電流出力を電圧に変換するために使われています。一番の特徴は無帰還だと言う事です。普通は、ここにオペアンプの反転負帰還回路を用いますが、DAC-2000では負帰還を掛ける必要が無いので、無帰還になっています。また、ローパスフィルターも電流と電圧の中間のような働きをしています。出力回路は電流と電圧のスイッチでの切り替えです。この電流出力は、電圧出力を抵抗で電流に変換出力する方式ではなくて、SATRI-ICの出力を使っていますので、大変精度が高いです。オプションのVer.5.1 を追加すると更に精度が高まります。
マスタークロックは、CDPの方にロックを掛けますが、DACの方は、CDPからのクロックにロックするわけです。DAC-2000のクロックは、きわめて特殊な方法を取っています。PLLクロックゼネレターの基準クロックをVXOとし、これにPLLでCDPにロックを掛けています。ただし、VXOのロックの範囲は狭くて200ppmですが、最近のCDPはこれでロックが掛からない事は無いようです。回路的に見れば、デジタル信号レシーバーのPLL、クロックゼネレターのPLL、VXOのPLLと3重のPLLが掛かっている事になります。」
さて音であるが、またまた頭を悩ませることになった。VRDS-25xsiのアナログ出力と、25xsi のデジタル出力をDAC-2000に入れた場合の音が、余りにも違いすぎるのだ。
25xsi とDAC-2000間のデジタルケーブルの音の違いを聴いているのではないかと思い、幾つかのケーブルを取り替えてみても大きな変化はない。つまりDACの音の違いと考えられる。
以前、永井氏の持ってこられた SANYO製チープDVD-Pが、OScon置換で驚くべき変貌を遂げていた事実から、Cの効果も考えてみたが、DAC-2000はオールOScon 、25xsiもすでに大方のCをOSconに交換してあるので、Cの音の違いも極小のはずである。こうしてみると、CDはメカよりもDAC、得に回路の違いの方が遙かに音に対する影響の割合が大きいのではないかと、短絡的に思ったりする。
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