しばらく振りに「あーく」のF特をスペアナで撮ってみた。リスニングポイント正面のもの。上が昨年、下が現在だ。部屋の欠点なのか、40Hzに大きなピークが、80Hzにはディップが出るので、何とかしようとした結果である。
低域の沢山入ったソフトをかけると良くも悪くもこの特徴が出て、それが「あーく」の音を決めている大きな要因のひとつであった。良く言えば包み込むように空間一杯に広がる低域、悪く言えばブーミーとまではいかないが、アタック感の乏しい低域とも言える。いくつか定数の違うコイルや、チャンデバのカットオフ周波数やレヴェルで調整しようと試みてみたが、どうしても解決されない。勿論、SWのレヴェルを下げれば解消されるのだが、それではSWの効果は半減してしまい、むしろネッシー単独スルーのクリアーな音場の方がいいのである。SWをやめるのは簡単なことだが、折角あるものは何とかうまく使いこなしたいし、なにしろ作って頂いたカネゴンさんに申し訳ない。
そこで、長いこと死んでいたグライコを利用してみた。早とちりかもしれないが、「グライコの本来の使い方は、ブーストではなく共振の減衰にある。」といった旨、ある方のHPで拝見したことがきっかけだった。普通のグライコは、1KHzを中心に 1/2ないしは2倍ずつの素子になっており、残念ながら当方のグライコもそうでパラメトリックではない。つまり低域側は、16、32、64、128、256Hzと丁度40Hzという素子がないのだ。それでも何とか調整してみたのが写真(下)である。チャンデバでカットオフとレヴェル調整、グライコでピーク減衰した(ブーストはしていない)。これなら当方としては合格である。もう少しSW全体のレヴェルを下げても良いが、そうすると映画ではつまらなくなる。試しにチャンデバなしのグライコだけではSWの中高域は減衰しきれなかった。当たり前か!!
こんなやり方では単なる演出に過ぎないのかもしれないけれど、とりあえずこの状態でしばらく聞いてみようと思う。「そんな使い方は全くもっておかしいよ。」と仰る方もおられるであろう。どうぞご意見拝聴させて頂きたい。正確に再生して、なおかつ楽しめれば一番良いのだろうが、やっぱり低域はむずかしい。
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