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ALBUM

Victor MC-L10
Victor MC-L10

 ダイレクイトカップルの二代目。初代MC-1では、このような微妙な機構を理解できずに、壊してしまう事故が多発したとの噂があるが、そのMC-1よりも更にスタイラスに近いところにプリントコイルをくっつけたものがMC-L10。LはLabolatory SeriesのL。
 
 これは、ディスコンになってしまうという情報を聞きつけて、針交換に出して戻ってきた2個目。とてもシェルを選ぶが、むしろMC-1より神経質なところが少なくなって使いやすかった。でも、本領を発揮する前にMC-L1000が登場し、意外に使用期間が短かかった。
 
 発売当時の長岡先生、MC-L1000とどちらが本当の音なのかと一時迷っていらした(失礼)ような記事があった。確かに、MC-1より低域のバランスがとれていて全く不満はないが、L1000を聞いてしまうと、全体の音の切れと細かい音に僅かに差を感じる。しかし、むしろ自然で聞きやすいとも言える。いずれにしろ素晴らしいカートリッジだと思う。
 
 シェルはオヤイデ のカーボン系のHS-CF、リード線はtechnicaの安い奴。

Victoe MC-L1000
Victoe MC-L1000

 Victorのダイレクトカップルのシリーズ集大成。ついに、プリントコイルをスタイラスの真上にくっつけてしまった。高音域の独特な散乱する様子は他では得られない。未だにリファレンスだ。
 
 これは当方通算5個め。一個目はすぐに壊れた。二個目は一個目の針交換、今使用中。三個目は中古で購入し、数年前オークションに出したけれど、莫大に後悔した。4個目は昨年断線、ガッカリしていたら熊本の師匠からお助け船。なんとなんと未使用新品を無償供与された。有難や!シェルとリード線は純正。
 
2012.01 AT-Ti15ANVに付けてみると、なんだかこっちのほうが純正ではないかというくらいにジャストフィットする。中高音域のややガラス質の感じが薄れ、更にいろんな音がきこえるようになった感じがするが、余計な音が出ているとは思えない。やや音像が大きくなる感じもあるが、むしろ本物らしく聞こえたりする。何故か指かけはチタン製のバット形状のものじゃない方がいい。
 
2023.01.11
 あらためて、前回の記載から10年も経っていることに驚き!
 この間、長年使ってきた一個が壊れて、師匠から譲り受けた一個のみになっていた。そこで、なんだかんだで使えそうな中古品を2個入手しておいたので、結局、手元には動作品が3個ある。どれも微妙に音が違う。また、気分的なものかもしれないが、ギャップの掃除をするとクリアーになる気がするが、経験上無理はしない!
 結局、純正のシェルが音は一番まとまる。長岡先生はPCOCCよりOFCのリード線の方が金属的な響がなくていいといった記載をされたこともあるが、私の好みではAT-1603 を使っている。
 もう一個は、V24Cさんの特製炭化ケイ素シェルショートタイプにFidelix の密着スリーブとAt-1603を組み合わせている。音質は自分的には最強である。但し、重すぎてアームはEPA-100mk2では真価は発揮されず、ゼロサイドフォースでの話しである。

MC Rhomann
MC Rhomann

 発売からまもなく、長岡先生の「初めてMC-L1000を超える物が出た。」というくだりに影響されて購入。自分なりにいろいろやってみて、確かにMC-L1000に似た音で、色彩の多さや低域の押し出しなどでは上回る部分もあるとも感じるが・・・私的にはOrtofon全体の音の傾向にどこかウエットな部分が感じられて、そこが当方の好みと違うところ。PUコードもそうだ。
 
2015年5月、AC-5導入とともに引退、放出した。当方にとっては全ての点でAC-5が上回ると判断した。

LYRA HELIKON
LYRA HELIKON

2001/06/14
 数年間、MC-L1000の後継機を探してきた。
 HELIKON はレコード再生の本(AC別冊)の記事を見てすぐに購入したのだが、その評価は「ポップス系がノリノリ、バタ臭くないジャズに合い、楽器を扱う人なら更にに真価がわかる、、、」というふれこみであった。
 実際にはすこぶるHi−Fiで、マトリックス再生で聴いていると、多くのポップス系では、いじくられた音場がさらけ出される。ドライでストレートでややもすると暴力的で、ある意味爽快。ライラはMADE IN JAPANで、Jonathan Carr氏が設計、三島敬宣氏が製造に携わっているらしいが、なるほど、欧州の音とは毛色が違う。というわけで、まだMC-L1000の呪縛から解き放たれない。
 
追記:2011.07.05
 某氏の二番煎じでシェルをPH-L1000に替えてみたら印象が変わった。暴力的という言葉は撤回。音像も小さくなり、とにかくハッキリクッキリでなんとも潔い!繊細さも伴っていてこれはいいと思う。

ZYX R-1000 AIRY-V(初期型)
ZYX R-1000 AIRY-V(初期型)

2001.8.15
 1980年代初頭、Ortofon でMC20の開発に携われた中塚氏が始められたZYX(ジックス)というメーカー、その名のごとく3次元軸に正確な位相を具現化しようとするもの。
 ネットのつながりから直接分けていただいた物。これで完成品。何とスケルトンで針カバーもない。受注に近いので頼めばボディを付けることも可能だが、音質は落ちるという。ベースはCD盤に使われているポリカーボネイトで、とても強力な樹脂。やったことがある方がいるかどうか分からないが、当方の腕力ではCD盤は割る事が出来なかった(笑)
 コイルの線材、巻き方とアースの落とし方に特徴があって、これが音を決めているらしい。良い意味で全く普通の音で奇をてらったところが無い。低音域が下の方から包み込むように出てきて、音場感も抜群だ。
 
追記:2011.07.05
 取り付けまわりやリード線をいじってみたら当方の好みの方向に寄ってきて、ハッとする部分もなくはない。
 
2012.01.21 EQA5630mk2になって聞き直し。シェルはJelmax CHA-1、指掛けはMicroのシェルから移植。リード線はAET線材を使ったモスビンさん特製。精神衛生上、いくらなんでも裸は遺憾ので、補強と高さ調整も兼ねて、シェルとの間に2mm厚カーボングラファイト製のスペーサを入れている。これが音に効いている。低音が床を這うように出てくるところは変わらずに更に力強くなって、つられて中音域〜高音域にも力が出てきて、適度に散乱する。ZYXのOEMと言われているAccuphase AC-5、メタルハウジングを持つが、こんな傾向の音なのだろうか?

My Sonic LAB Eminent GL
My Sonic LAB Eminent GL

'04/04/29 初代Eminent導入。My Sonicはオーディオクラフト出身の松平氏方が立ち上げたメーカー、なるほどAC-03によく似た外観だ。新素材の採用により磁気効率を高め、低インピーダンスかつ高出力という相反する課題をクリアー。同様の考え方で画期的な構造を採用したortofon MC Jubileeがある。Eminent もその延長線上にある音のようにも感じられるが、全ての点で秀でていると感じる。10万円の価格差を考えれば当然かもしれない。結果、この時点でMC Jubilee は放出となった。
 「正直申しあげて、従来のカートリッジでは聴くことのできなかった音楽の機微が、はじめて耳に届きます。」というメーカー自身のコメントに頷いている自分が居る。
 
'10/11/03 その後、Hyper、Ultraと上位機種が発売されてきたが、あまりに高価で手も足も出なかった。昨年、松平氏とのメールのやりとりで、今度出すGLというむしろC/Pの高い物を是非聞いてみて欲しいとのことであった。そんな中、 Ultraを自宅試聴する機会があり、確かにEminentの上位機種という方向性が感じられたが、当方の好みとはちょっと違うのだった。そして、その後にGLの新品を試聴してグラッときた。全帯域に音の芯がしっかりしており、強調されてないクッキリ感、Ultraより低域方向が締まって、中高域は明るく散乱する傾向にあった。細かい音もL1000を越えているようにも聞こえる。手持ちの初代Eminentと比較して、全ての点で当方の好みだった。この時点でEminentは交換に出されることになった。唯一の欠点はデザイン。Eminentは金属光沢のブルーのベースにシルバーのボディで格好良かったが、GLは普通になってしまった。
 
'11/07/31 WROMさんのアドバイスのごとく、シェルをV24Cさん特製の物に替えたら、少々不満のあった低域過剰がスッキリして最強、高域も本当に尖っている。スピーカユニットで例えるなら、中高音域が少し優しくなったFE208ESかな・・・。
 それから、このカートリッジのおかげで、個体差、シェル、ネジ、リード線、そのハンダの種類、それにアームとのバランス等々、音は随分と変わることを改めて勉強させられた。
 
2012.01.21 シェル軽量化作戦決行。これは古〜いVictor Lab.の限定品。棚の奥にしまってあった未使用品を今回初めて使用。新幹線のパンタグラフ受けに使われているカーボンでできたシェル。指掛けも特注カーボングラファイト製。リード線はAET線材のモスビンさん特製。高音域は情報量多くシャープだがわずかに薄い。中音域は実在感があって、低音域はボン着く寸前でガンガン出てくる。
 
2012.01.28 V24Cさんの特製シェルに取り付けると、総重量は28g台に突入するにもかかわらず、EPA-100mk2であっても、他のより軽量のシェルよりは断然マシな音がするのはどうしてなのか。CHA-1、これはPH-L1000とほぼ同じ材質でやや薄く、カートリッジ取り付け部分に切り込みがないので接触面積が大きいという利点がある。V24Cさんのスペシャルシェルは強度だけでなく、接触面積を大きくとれるところもEminentに合っていたのではないかと考えたのだ。総重量23gになった。V24Cさんのシェルに比べると全体にハイ上がりで、よく切れ込み、低域はかなり締まってソフトよっては量感がわずかに不足気味かもだ。当方は、今のところはこちらをとりたい。
 
当方には宝の持ち腐れなので、オークションに出したら、なんとお知り合いの落札となった。

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Last updated: 2024/10/3

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