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「趣味のオーディオの行き着いた先」に行き着いた。何のことかと言えば、アナログ再生に於いて、30年間、懸案の(?)MC-L1000後継機問題だ。この4〜5年ほど、いくつかの選択肢が出てはきている。例えば、SATELLITEでMC-L1000とMC-F1000を聞けば、MC-F1000は遂にL1000を超えて新たな境地に立っていると言えると思う。当方のLP再生は、これをもって「上がり」とし、今後はA級外盤を楽しむ事にしたことを報告したが、MC-L1000も独特の輝きと繊細さがあり、LPによってはジャストフィットする場合があるのも事実。とっておいても使わにゃ宝の持ち腐れ、壊れるまで使いたおしたい。
もう一つ、マニアックな方であればすでにご存じであろう。Fidelix をこよなく愛し、独特の経験的知見と器用な手先で、カートリッジを修復したり、トーンアームやLPプレーヤーまで作ってしまう方がいる。しかもこの方、とうとう断線したMC-L1000の修理方法を確立され、昨年の当方の発病する前からご相談を受けて頂いていた。マイクロプリントコイルの代わりに、Fidelix MC-F1000のコイルを移植、更にはへたったダンパーもMC-F1000のダンパーに交換するというもの。これを実体顕微鏡下でやってしまうのもとんでもなく凄いのだが、Fidelix 中川氏も、よくぞその素材を提供されたものである。おそらくMC-F1000への自信と、アナログ界の発展のためなら何でもするという、氏の心意気からのことであろう。
で、昨年の病気以来、半減してしまっていた物事への興味や「欲」がSATELLITE導入をきっかけに戻ってきつつある当方、このMC-L1000を何としても聞いてみたい欲求に駆られた。例の「他力本願の精神」からは、お願いするに決まっているのだが、いろんな条件やタイミングというものがある。当方の故障したMC-L1000は、オブジェとして引き取られていったり、実験で修覆不可能になって廃棄してしまった物もある。もう一個、断線した上に落下させてカンチレバーを折ってしまった物もあるが、上記の修理は適応外である。だが不思議なことに、こういう時にひょんなことから壊れたMC-L1000に出会うこととなる。早速診断と修理をお願いした。その型番はMC-L1000/TS、制作者のお名前をとって「竹本スペシャル」のTSとのことである。そして、本日「あーく」に届いたのだった。
それから先日、SATELLITEのサテライトアンプは一個なのだが、YAMAHA HA-3のサテライトアンプを流用し、音が出ること
を報告した。本来の性能が発揮されている保証はないので、まねしないようにお願いしたい!更に、自作サテライトアンプ(当然他力本願で当方の自作ではない)を入手したので、これを組んでみた。シェルはMICHAKUセラミックシェルを改造、セミコムさんに特注した炭化ケイ素プレートと見附工業製ジュラルミン指掛けに変更。全部スペシャル、唯一無二である。
音の感想については、また改めて報告する。
<追 記>
エベレスト、マッターホーン、マッキンりー、富士・・・世界の峯は一つではないと同様、物事のてっぺんも一つではない。アナグ再生においてもしかりで、これはその一つだと思う。
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