5月初に退院してから本日までの間に視聴した映画は、UHD-BDのゴジラ-1.0 とインディジョーンズの2本。放送は、鬼滅の柱稽古の録画を見るくらい。左目の見え方はどうにもならないが、耳の調子は映画鑑賞に耐えられるくらいまでは良くなっている。
さて、オーディオテクニカが7月12日にAT-ART1000Xを発売とのこと。聞くところによると、Xは主にコイル形状変更で音が変化しているらしい。写真はaudio-technica(上)とFidelix(中)のHPから拝借。Fidelixに似てきたが、リード線の分、fiderixのほうがよりダイレクトかな。写真下はMC-L1000、これが1980年代の製品、いかにすごいかがわかる。TSMCに発注できないかな・・・?しかしながら、そのお値段は例の問題である消費税込みで77万円にもなる。クリーニングサービスや性能検査サービスとともに、カートリッジ修理プログラムを用意しているらしい。従来の針交換サービス、つまりカートリッジ全体交換は行わず、スタイラスチップ、カンチレバー、コイル、ゴムダンパーなどを含む振動系全体を入れ替える修理を、AT-ART1000Xは\308,000(税込)で、AT-ART1000は\263,120(税込)で行うそうだ。 AT-ART1000のバージョンアップ修理はないのだろうか。
<2024/07/07 加筆>
MC-L1000(写真:下)
実物を拡大鏡で観察すると、引出線まで一体のプリントコイルはカンチレバーを貫通するダイヤモンドチップの後面とカンチレバー上面に接して接着されているように見える。巻き数をカタログ写真で数えると11ターン。出力 0.22 mVに比して内部インピーダンスが20Ωと高めなのは、コイルが小さいからか。
AT-ART-1000(写真:上右)
コイル材はφ20μmのPCOCC線、φ0.9mmで8ターン巻いた空芯コイルを0.6mmの強力な磁気回路中のギャップに配置することで、空芯型でありながら、コイルインピーダンス3Ωで0.2mVの出力電圧を獲得している。(https://www.audio-technica.co.jp/product/AT-ART1000)
AT-ART1000X(写真:上左)
コイル材はφ20μmのPCOCC線、1.1×0.6mmの長方形で8ターン巻いた空芯コイルを極薄25μmの特殊フィルムで保持し、0.5mmの強力な磁気回路中のギャップに配置することで、コイルインピーダンス3.5Ωで0.22mVの出力電圧を獲得している。(https://www.audio-technica.co.jp/product/AT-ART1000X)
厳しい見方をすれば、コイルとダイヤモンドチップの間に引出線を挟むフィルムが介在している。
MC-F1000(写真:中)
コイルは17μ線の4ターンが3層、計12ターンでインピーダンスは6Ω、ホームベース状のコイルなので針圧変化による出力変化は少なく、結果、反りや揺れに対しても安定度は高い。また、コイルのセンターは穴が空いていて軽くなっている。コイルの前後揺れ共振が心配されたが、小さいために全然問題にならず、むしろコイルの引き出し線をグリスでダンピングしないと鳴きが出るこが驚き。アルミパイプカンチレバーに小さめの穴を開け、圧入という方法でダイヤ針を入れるので、精度の高い強固な結合になり、接着剤で外れない程度の補強をしている。
中川氏に質問したところ、コイルはカンチレバーとダイヤモンドチップの両方に接着してあるとのこと。多分、コイルそのものをアルミパイプカンチレバーを貫通するダイヤモンドチップの後面に当たるように押しつけつつ、カンチレバー上面に接着しているのではないかと拝察する。最もダイレクトなカップリングだ。
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