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これより<第二部>

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SONY PS-3750
SONY PS-3750
 大学の寮の仲間にS君というオーディオマニアが居て、MAICRO DDX-1000、同MA-505、YAMAHAの25W×2の超ハイC/PプリメインアンプCA-V1、YAMAHA NS-500、TEACのカセットデッキA-450等々を駆使したシステムを聞かされた。
「こんな音が出るのか!」
高校生の時分、当方の小遣いをはたいて買ったSONY QS4ch ステレオシステム、おもちゃだった。その構成は、木箱の中にスプリングで浮かされたLP-P、SQ4chレシーバー、フルレンジ一発で同じ規格のSP×4個。そこでLP-P・レシーバー一体型をやめて、単品を購入した(1976年夏頃)。
 PS-3750 は、SONY初期のDD LP-Pだ。クオーツロックは無かったように記憶する。キャビネットとTTシートが特徴的で、硬い樹脂を成形したキャビネットは初めての試みだった。TTシートは薄めのゴム製で、大小の吸盤状の部分(吸い付きはしない)があった。プラスチックモールの脚をゴムの構造物でインシュレート。アームは単純なジンバルサポートで、上下のみ右手前の遠隔レバー操作で行うセミオート。今になってみれば、ガタもあったし感度もそれ程のものではなかったかな。付属カートリッジはXL-15という赤いボディのMM型、素直な音だった。
SONY TA1150
SONY TA1150
 PS-3750 とほぼ同時期に中古を購入。この頃から中古とは縁があった。えらく改善したかと思いきや、S/Nは芳しくなかった。
Fostex UP-203S
Fostex UP-203S
 そうなると今度はSPだ。QS4chは世間で廃れてしまったし、購入したアンプは2chステレオなのでSPも2chでいい。しかし、アンプを中古でしか購入できないのだから、新品のSPシステムを購入する余裕があるはずもない。例のS君、名案を吹き込んでくれた。「自作だ!」当時FOSTEXと双璧のコーラルというユニットメーカーがあった。そのバスレフエンクロージャー・キットに、同6F-60というフルレンジ一発で製作した。伸び伸びと明るく響き渡る音には大変感動したものだった。
 
 しかし、すぐにS君との差は分かるようになった。フルレンジはスルー、HD-60というハードドーム・ツイーターをコンデンサー一個でローカットして追加。これまた感動。しかし、高域を補正すると今度は低音の底力が欲しくなる。
 そんな折、FOSTEXから初の限定ユニットUP-203Sが発売になり換装。ドでかいフェライトマグネット、アルミダイカストフレーム、アルミセンターキャップを持ち、うねったような特殊形状の特殊材質のコーン、ウレタンロールエッジ、重たいユニットだった。音も、さらに深々とした低音が出るようになっていい気になっていた。
 
 これは1976〜1977年の話。振り返ってみれば、初めから限定ユニット自作だった。今やってることは四半世紀も変わってない。また、長岡鉄男先生を知ったのはこの頃である。勿論S君の影響なのだが、「フ〜ン?!」てなもので、記憶の片隅にしか残らなかった。初めから入信していればあんなに長い迷路に入り込まずに済んだのに、といつも回想する。(’04/02/18記)
 
 
'07/07/15 最新のFE208ES2、今や限定発売ユニットも随分高価になってしまった。
SAEC WE308N
SAEC WE308N
 LP再生で手っ取り早く音を変えるには、カートリッジを替えてみるといい。しかし、オリジナルのアームでは高性能なカートリッジの実力を発揮できないかもということで、SAEC WE-308Nを1977年春頃導入。同社のアームブラケットを介してプラスアーム。単独でPS-3750と同価格のインバランスな選択だった。
 
 メカニカルなデザイン、そして高感度とガタのない事を両立したところに惚れ込んだ。その後、オーディオクラフトのワンポイントサポート・オイルダンプ・アームも使ってみたが、シビア過ぎて安定感が得られず、しばらくはWE-308Nを使用した。ウエイトも各種用意されており、重量級のシェルも使えていろんなカートリッジを楽しませてくれた。本格的なLP再生の始まりであった。
YAMAHA NS-1000M
YAMAHA NS-1000M
 1978年、鬱陶しい学生寮を出た。寮では、スペースの関係でSPを高さ1.8mの棚の上に置かねばならなかった。今度は広い部屋に移って、しかも一人の時間が大量にある。毎日毎食カップ麺にして小遣いを貯め込み、ステレオに注ぎ込む。まずはスペースに見合うSPだ。飛躍してYAMAHA NS-1000M導入。
 
 このSPでは様々な事を試した。外観はウーハーのパンチングメタルカバーやロゴステッカーまでも剥がしてしまい、内部は配線材や吸音材の変更も行ったが、LCネットワークをいじくる技量や勇気はなかった。
 
 このウーハーはなかなか思うようには動いてくれない。置き台にはコンクリートブロックから始まって、人工大理石まで様々な物にトライした。でも、小出力中古アンプでは誠につまらんラジオみたいな音にしかならず、またしても飛び級でセパレートアンプに突入。
Nakamichi 600/610
Nakamichi 600/610
620
620
 熊本に音楽堂というオーディオショップがあった。1978年の事だったか、夏休みに帰省した際、お店で試聴して即決定。高S/N、どこにも誇張感のない音質、そして何よりこのデザインだ。この際はカセットデッキまで一式ローンで購入。こうやって購入方法もだんだん覚えてくる。
 
 610 はコントロールアンプ。マイク入力やマスターボリュウムも備わっており、小さなミキサーみたいな機能を持っていた。フォノ入力は聴感上も高S/Nで、負荷抵抗や負荷容量を細かく選択できたが、ヘッドアンプはなかった。レベルメーターも当時の当方には面白かった。
 
 620 は大型トロイダルトランスを筐体の中央に配置した100W×2のパワーアンプ。単なるB級アンプなのだが、やたらと熱くなった。あまり帯域を欲張っていない真っ当な音質。
 
 600 は名機である。どうやって作ったのか特殊な凸みたいなヘッド形状で、バイアスやイコライザー調整が各チャンネルで可能。驚くべき事に 20000Hzまでフラットな録再ができた。惜しむらくは、シングルモーターで、そのモーターが(?)よく壊れたこと。これさえなければなあ。


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