1979 YAMAHA FX-3をもって、6畳二間をぶち抜いた12畳の部屋に移るも、気が付けば流行のディスコみたいな音になっていた。バッフル面積とウーハーの支配力大で、音像が大きく面で押してくる。若い身体にはそれなりの快感であったのも事実だが、何でもかんでもディスコ調では満足できなくなった。
1981 この頃のオーディオ界は天国だった。ペアで\236,000だが、一銭も手出しすることなく、FX-3とズリ替えで入手した。このSPには一切普通の部分がない。全てが特殊で、よくぞこんなに凝って作れたものだ。カーボンスキンと強力なマグネットを持つ平板スコーカーおよびツイーター。金属製のサブバッフルは各ユニットと下1/3のユニットのない部分の4つに分割される。
FOSTEX FE-208ESを思い起こさせるデザインのウーハー、硬いのは同じだが、こちらは重量級のコーンだ。これを強力なマグネットで駆動する。この放射状のリブをどうやって貼り付けたのだろうか。しかも、バヨネットチャック式取り付けで、禁断のセンター配置だ。その代わりにと考えられたのが古今東西唯一の構造のエンクロージャー。背面を逆ピラミッド状に凹ませることで定在波を防ぎ、その中央に息抜き穴が設けられ、凹みの左右に補強剤が渡されている。これだけの物が、一本12万円に満たないお値段、安すぎて売れなかった?!
鳴らすのは容易ではなかった、と思っているのは当方だけ? Σドライブという接続ができる専用のL-08M というパワーアンプも発売されていたが、当方は未だに Σドライブの意味が分かっていない。今完動品が手にはいるのなら、是非現代のアンプで鳴らしてみたいものだ。
2016.10 たまたま程度のいい物が手に入った。現在の環境をもって鳴らしてみると、いやはや凄い低音が出る。中音域から高音域に関しては素直な音である。たぶん、この口径のウーハーをもつスピーカーシステムの中では、群を抜いているのではないか。写真のような置き方では真価は発揮できないが、ネッシーの前にスピーカー台の上に設置して鳴らすと、全くもってサブウーハーなんかいらないくらい。能率は公称89dB、ネッシーに比較すると6dB以上低いが実際はもう少し高いようにも感じる。ネッシーのようなホーンや高能率スピーカーの音とは別の素晴らしい音質だと思う。音に迷ったら自分リセットで鳴らしてみよう。
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