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ALBUM

'03/09/23
imaさんのHP内のバンナさんコーナーにあるお手製窪田式AE86氏改変型フォノイコ(http://www5e.biglobe.ne.jp/~junk-ima/bannnaanalog.htm)が、本年1月初旬完成。「電気の知識は中学生程度しかない。」なんて謙遜しておられるが、どうしてこの素晴らしい出来映え。その後も少しずつ手を加えられ、音の方もご自身満足していらっしゃるようだ。
 
その元祖は、AE86氏の「21世紀のアナログへ」と題打たれたコンテンツに掲載されているフォノイコライザーアンプである
(http://2.plala.or.jp/takatsugu/21th-analog.htm)。HPを覗けば、非常識とも言える数、かつ巨大なコンデンサとトランス達を見ることが出来る。電源は供給能力よりも、いかに変動しないかが大事であると、氏は説かれる。そこから出て来る音はスピーカーの存在を感じさせないという。
 
それは箱船でも実証された。箱船専用にモディファイ、かつケースに組み込まれた同型式のフォノイコ:AE86PEQ Ver.1.5。ここでも同様のパフォーマンスを発揮しているらしい(http://www5.nk.ansai.ne.jp/users/hakobune/ '02/03/13 および '03/02/01の航海日誌)。電源ユニット(300W×200D×180H、約18kg)とアンプユニット(300W×200D×175H、約7kg)からなり、脚はタオックの鋳鉄製で、アンプユニットに3個、電源ユニットに5個。厚手のアルミ板とL型フレームを組み合わせ、多数のネジでガッチリと作られている。電源ケーブルは3.5sqキャブタイヤケーブルにSFチューブを被せたもの。ACプラグは明工社のホスピタルグレードUL規格品。左右独立電源で電源部とアンプ部は、大型のネジ止め式3Pメタルコネクターを使い、2本のケーブルで繋がれる。S/Nの向上を狙うため、電源ユニット・アンプユニット間のケーブルはやや長めとし、充分な距離を取っているとのことである。
 
その他にも少なくともお二人、窪田式AE86氏改変版のフォノイコを製作使用されていることをネットで知った。また、当方がネットでお話しできる範囲内においても、現在製作準備中の方がお二人いらっしゃる。
 
実は、当方も本年春から、資料の取り寄せ、バンナさんやAE86氏への相談、部品集め・・・と製作準備に入ったのだが、問題はここからであった。左右独立電源だけはオリジナルを変更したかったので、本来なら電源回路基板2枚とEQ回路基板2枚でよいはずのところを、ド素人が故、失敗すること必至と考え、窪田先生にEQ回路基板は4枚発注した。そしてEQ基板から始めようとしたのだが、、、これが遺憾。折角窪田先生から直筆で「ゆっくり・丁寧・確実に」と励ましのお言葉を頂いたにも拘わらず、できないのだ。あとで気が付くことの多いこと。例えば抵抗値の読み方すら知らないままにとりかかったものだから、それはもう大変。しかも、不規則な仕事の合間にやるもんだから、早すぎてイモハンダになったり、かと思えば最近の目の衰えも手伝ってゆっくりすぎたり。その上、できた回路がまともに作動してるのか、どうやって調べればいいんだ。遅々として進まないのである。
「あーく」スペシャル
「あーく」スペシャル

そして遂に「あーく」もスペシャル・フォノイコの導入だ。なにしろド素人の当方、バラック状態での使用には非常に不安がつきまとう。というわけで、以下の仕様でプロの手をお借りして完成を見た。オーディオワークス(http://audioworks.jp/)の斉藤賢逸氏である。当方のように回路技術の不確かな方、もしおられたならば、一度相談されるといい。懇切丁寧に説明をして頂きながら、素人でも安全に使える特注品を作り上げることが出来る。
 1997年8月号のMJ誌に記載されている回路で、MM対応のものを採用した。
 
■EQアンプ仕様
・ケース 電源部・EQアンプ部別ケース
   メーカー  :タカチ
   電源部   :330w x 133h x 430d
   EQアンプ部:330w x 70h x 430d
   底 板   :銅板5mm厚
   足     :audio-techinica のピンポイントかつ受け皿が落っこちない奴(型番を忘れた!)
・300VA大容量トランス×2(左右独立)
・ケミコン:63V 22000μF x 4
・電源投入時の電流制限回路付
・電源部とアンプ部との接続:XLRコネクタ
・100V入力部:ノイトリックパワコン

電源ユニット
電源ユニット

これは電源ユニット。実測重量約20kg。一般の機器の出力は1〜2Vなのに対し、カートリッジはmVと極小。トランスのフラックスや振動を回避する為の別筐体とした方がメリットが大きい。
 
 トランスは少量でも特注が出来るフェニックス製で、シールド付きRコア型300VA×2、1次側100V2次側40V、これはバンナさんと同じはず。電源用ケミコンは63V 22000μF x 4。電源部出力電圧:DC+−59V、トランス容量:700VA(両chで)。対するEQアンプ部の電源電圧:DC+−35V、終段バイアス電流:20mA、総消費電力:12W(両chで)。従って能力の2%以下しか使っておらず、トランスの負荷としては無負荷のようなもの。
 
 出力にDCが数ミリボルト出る事が判明。これはまた、時間や季節によって変動するので、安全のために出力にカップリング・コンデンサーを入れてDCをカットした。

アンプユニット
アンプユニット

右側の空間は、将来追加回路を入れることがあった場合(例えばヘッドアンプ)のもの。部品には高級・特殊な物は使用していない。そこらで注文できる一般的な物ばかりである。接点だけは確実なものを選んだ。
 
 以下、ファースト・インプレッション。EQアンプを低ノイズで作るのは大変難しいらしいが、かつて試聴したメーカー品に比してもS/Nが大変良い。PRA-2000ZRよりは遙かに良い。かつダイナミックレンジは広大。DC+−35Vと普通より大きい電圧を使用しているため、当然と言えば当然。プロのご意見では、安定していて発振の心配があまりないとの事。但し、出力段のFETの発熱が大きい(記事では放熱器が無く心配)ので、放熱器を付けてこれを解消している。

背 面
背 面

'03/09/25
 すでに一部を自己改変した。まずは当たり障りのないところ、つまり電源(接続)コードと脚だ。
 
 あえて特殊な注文はしないでおいたら、300VAの電源にしては可愛すぎるコードだったので(写真上)、必要最低限の長さの3.5sq-キャブタイヤと3Pプラグに変更。電源・EQユニット間のコードは、本来信号線のeight-9のφ1.0mm単線2芯シールドコードに変更して、設置の自由度が上がるよう延長した。
 また、脚はとりあえず輸送までの暫定ゴム脚(4個ずつ)であったのを、EQユニットは audiotechnicaのピンポイント設置ができて受け皿が滑脱しないもの(型番を忘れてしまったが、たまたま持っていた。)×4個に、電源ユニットは TAOCのTITE-25SP(これも持っていた)×5個に変更している。電源ユニットも底板は5mm厚銅板であるが、あまりに重いので、中央にも1個脚を増設しないと、たわんでしまう畏れがある。
 これだけの変更で、元々強力な低域が更に強化された。「あーく」の短い歴史の中で、かつて無い力強さである。
 
 そのうち質の良い(もっと低雑音の)Dクラス電源ユニットが市販されれば、電源ユニットを交換するだけでいい。しかし、これが良いかどうかは実験しないとわからない。MJ誌の最新号(10月号)で窪田氏がDクラス電源ユニットを使用したプリアンプを発表しているので、プリアンプとパワーアンプには採用できるはずだが、EQアンプは信号レベルが低いので電源のノイズが問題。CHORDみたいな折り返し周波数の十分に高いパルス電源ユニットが出たら試してみたいものだ。

安全回路
安全回路

ここも素人では難しく、しかも必要な所。タイマーリレーだ。300VA×2などというパワーアンプ並の大電源であるので、スイッチOn時のラッシュが悪影響を及ぼす事もあり得る。このような付加回路のための音質劣化が多少はあるのかも知れないが、ド素人にはあった方が安心。

設置状況
設置状況

デカイ電源ユニットだ。前知識なしに見たら、パワーアンプにしてはヒートシンクがないな、といった感じか。

接続コ−ド
接続コ−ド

左からユニット間アース端子(繋がなくても問題なし)。ユノット間の右・左チャンネル電源コードは φ1mm8N銅単線2芯シールド、ノイトリックキャノン端子付き Space & Time Prism 55i 8N、80cm。右・左出力は電力送電用CVS 2sq 2芯+WBT の自作:80cmでクソ硬い!。右左の入力はSpace & Time Prism 55i 8N、50cm。右端は入力アース端子(繋がなくても問題なし)。

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Last updated: 2022/12/29

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